永代供養のメリットが知りたい!デメリットもチェック
永代供養は、長いお墓の歴史から見ると比較的新しいため、現代人の悩みに寄り添った供養方法といえます。
お墓の継承問題にはじまり、子供や孫に負担をかけたくないという心情的な部分も含め、お墓の管理や供養を永代にわたって寺院や霊園にお任せできるのはありがたいことかもしれません。しかし、なにごとにも良い部分と悪い部分があるように、永代供養にもメリットとデメリットがあります。
もしも永代供養を申し込むとしたら、メリットばかりではなく、デメリットもしっかりと押さえておきたいものです。
そこでこの記事では、永代供養のメリットとデメリットについて、以下の項目にわけて詳しく解説していきます。
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永代供養とは?
永代供養とは、霊園や寺院が永代にわたってご遺骨を供養・管理してくれることです。霊園や寺院に永代供養料を納めたうえでご遺骨を預かってもらい、供養や管理をお任せする埋葬方法になります。供養や管理の仕方に明確な決まりはなく、寺院や霊園によって様式はさまざまあります。
永代供養のメリット
永代供養を選択する、6つのメリットについて解説します。
お墓の後継者が不在でも申し込みできる
お墓を継ぐ人がいなくても、申し込むことができます。
ご供養や管理を寺院・霊園に一任できる
寺院や霊園が定期的に供養や管理をしてくれるので、ご遺族がその後お参りできなかったとしても、無縁仏になってしまうことはありません。
宗派・宗旨不問が多い
永代供養の多くは、宗派・宗旨を問わず受け入れてくださいます。
生前に申し込みできる
生前に契約することができるので、自分が入るお墓を自分で選ぶことが可能です。
一般のお墓よりもリーズナブル
後述の「個別安置型」以外は、基本的に墓石代がかからないため、一般的なお墓を建てるよりも費用を抑えることができます。また、一般のお墓には「永代使用料」が必要ですが、永代供養には必要ありません。
アクセス良好な立地が多い
永代供養の中でも、最近人気が高まっている納骨堂などは、交通の便が良い場所に多くあります。また、郊外であっても広い駐車場付きの霊園や墓地が多いため、車でアクセスしやすい環境です。
永代供養のデメリット
永代供養を選択する際に考慮したいデメリットは、3つあります。詳しく見ていきましょう。
家族や親類縁者の理解を得にくい
信心深い方や檀家の方、あるいは先祖代々のお墓を大切にしてきた方などにとって、誰でも入れる宗教不問のお墓は、理解を得にくい傾向にあります。
安置法によっては遺骨を取り出すことができなくなる
後述の「合祀型」の場合、他の方のご遺骨と混ざってしまうため、故人のご遺骨だけを取り出すことはできなくなります。
合祀されるまでの期間が決まっている
永代供養は一般的に、33回忌など一定の期間を定め、供養期間が過ぎると合祀されます。
永代供養の種類別にみるメリットとデメリット
永代供養には利用する方のニーズにあわせて、いくつかの種類があります。
ここからは「屋内型」「屋外型」にわけて、それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。くわえて「安置方法別」の比較表も作製しましたので、検討の際の資料としてご活用ください。
屋内型
屋内型の最大のメリットは、天候に左右されずにお参りできることです。また、交通の便が良い場所が多く、電車やバスなどの公共交通機関を使用したアクセスがしやすいこともメリットといえるでしょう。
ロッカー型
ロッカーの形をした納骨堂に、骨壺をそのまま安置します。
- 継承者がいなくても大丈夫
- 生前予約が可能
- 比較的宗教に寛容
- 一般的な墓地よりリーズナブル
- いずれは合祀になる
- 納骨できる人数に限りがある
霊廟型
故人の仏壇があり、その下にご遺骨が納められています。
- 先祖代々のご遺骨を納めることが可能
- 一般的な墓地と同程度の機能がある
- ご遺骨を個別に安置しているため割高
屋外型
屋外型のメリットは、従来のお墓に近い墓石を用いたタイプなどもあるため、年配の方にも受け入れられやすい点です。また、風光明媚な広い敷地の場所が多く、落ち着いてお参りできることもメリットといえます。
合祀型:ご遺骨を他人のご遺骨と一緒に埋葬します。
- 永代供養の中でもリーズナブル
- 購入後の手間がかからない
- 多くは宗旨宗派を問われない
- 分骨や改葬ができない
- 親族縁者の理解が得にくい
納骨塔型
釈迦像やモニュメントなどの納骨塔の地下部分に、ご遺骨を安置します。
- 墓石の管理をする必要ない
- 墓石がないため個別のお参りはしにくい
納骨壇型
大きな石材で造られた施設に、ご遺骨を故人ごとに安置します。
- 個別に安置されるため分骨が可能
- 合祀型と比較して割高
安置法別
ご遺骨の安置方法は、ご遺族がもっとも気にされる点ではないでしょうか。屋内型・屋外型と重なる点もありますが、安置方法から選びたい方は参考にしてください。
個別安置型
一般のお墓のように、個別に墓石を置いて埋葬します。
- 一般のお墓と変わりなくお参りできる
- 親族縁者の理解が得やすい
- 一定期間が過ぎると合祀される
- 個別に安置するため割高
集合安置型
集合的に安置されますが、ご遺骨やご位牌は個別に置けます。
- 故人に向かってお参りができる
- 他人のご遺骨も同じ棚に安置されている
合祀型
ご遺骨を他人のご遺骨と一緒に埋葬します。
- 購入後の手間がかからない
- 永代供養の中でもリーズナブル
- 購入後の手間がかからない
- 多くは宗旨宗派を問われない
- 分骨や改葬ができない
- 親族縁者の理解が得にくい
永代供養を検討する際に確認するポイント
ご参考までに、前述したメリットとデメリットから、検討する際に確認すべきポイントを紹介します。
ご供養の方法
永代供養には、ご遺骨を個別に供養する「分骨型」と、ご遺骨を他の方と一緒に供養する「合祀型」の2種類があります。
「合祀型」は費用負担を抑えられるというメリットがありますが、一度ご遺骨を納めてしまうと取り出すことができないというデメリットがあります。
合祀されるまでの期間
永代供養墓の多くは「分骨型」でも33回忌などの区切りがあり、その後は「合祀型」と同様の供養形式になります。供養の期間は寺院・霊園によって異なりますので、確認したうえで選ぶようにしましょう。
寺院・霊園の供養に対する考え方
永代供養は、ご遺骨を末永く寺院・霊園にお任せすることになります。そのため、供養をお任せする寺院・霊園を運営する方の、供養に対する考え方は事前に確認したほうが良いでしょう。
検討時にはデメリットの把握が大切
永代供養を選ばれる方のほとんどは、メリットに注目されていることと思われます。そのため、検討時にはあえてデメリットを確認することをおすすめします。
今まで注目しなかったデメリットを知り、比較することで取捨選択の目安とし、よりご自分にふさわしい供養の方法をお選びください。
永代供養はどんな方に向いている?
永代供養は、リーズナブルな価格設定が多いため、お墓に予算をかけるのが難しい方におすすめです。
また、寺院や霊園に供養・管理をお任せできるので、お墓を継承する人がいない方をはじめとして、単身者の方、子供がいないご夫婦、自身の死後にお墓のことで子供に負担をかけたくないと考えている方などに選ばれています。
さらには、生前に自身の入るお墓を選ぶことができることや、契約時に支払いを済ませることでご遺族に負担をかけないことを魅力ととらえる方もいらっしゃいます。
まとめ
生まれ育った故郷で一生を過ごす方が少なくなった昨今、永代供養の需要は高まっています。先祖代々の故郷にあるお墓を、遠くで暮らす子供や孫が引き継ぎたいと思っても、現実的に管理が難しいのが現状だからです。
そんな方たちにとって、供養と管理を霊園や寺院にお任せできる永代供養はメリットの多い埋葬方法ですが、デメリットの確認も大切です。
ご紹介したように、永代供養にはさまざまな種類がありますので、それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握し、ご遺族の皆様が納得できるご供養の仕方を検討してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。