永代供養に宗派はあるの?気になる関係性についてお答えします!

永代供養のお墓は、宗教不問で利用できることが大きなメリットのひとつと考えられています。

しかし、永代供養の本来の意味は、仏教と密接に結びついています。宗教・宗派にこだわりがある方もない方も、ご自身やご家族の供養方法を考慮する際には、宗派について基本的なことは知っておきたいものです。

そこでこの記事では、永代供養と宗教・宗派の関係性について、以下の項目にわけて詳しく解説していきます。

  1. 永代供養について
  2. 宗派について
  3. 永代供養と宗派について
  4. 永代供養の宗派、法要と戒名について
  5. 宗派と無宗派の永代供養について
  6. 宗派を問わないことが多い本山納骨

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永代供養について

本来の永代供養は、長い時間をかけてご先祖様を供養し往生を願う、仏教の習慣のひとつでした。

しかし、少子高齢化などが要因で、お墓の継承者や縁故者がいなくなってしまう方が増えている近年は、寺院・霊園に供養の代行を依頼するという意味合いが強くなっています。

宗派について

宗派とは、仏教の主流から離れて別の派閥を作る、分派を示す言葉です。

昭和15年の宗教団体法が施行される以前に認知されていた日本仏教の中心的宗派は、十三宗五十六派あると言われています。永い歴史の中で育まれてきた十三の宗派は大きく5つの系統にわかれ、それぞれ教えや教義に特色があり、各宗派ごとにお葬式やお墓に対する考え方も異なります。

系統 宗派
奈良仏教系の南都六宗 法相宗(ほっそうしゅう)
華厳宗(けごんしゅう)
律宗(りっしゅう)
平安時代の密教系 天台宗(てんだいしゅう)
真言宗(しんごんしゅう)
浄土系 浄土宗(じょうどしゅう)
浄土真宗(じょうどしんしゅう)
融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)
時宗(じしゅう)
法華系 日蓮宗(にちれんしゅう)
禅宗系 曹洞宗(そうとうしゅう)
臨済宗(りんざいしゅう)
黄檗宗(おうばくしゅう)

永代供養と宗派について

永代供養には本来、宗旨・宗派を問わず受け入れ、故人の供養を行うという考え方があります。

しかし、寺院は必ず、いずれかの宗派に所属しています。また、霊園であっても、法要を担当するご住職は、当然ながら宗派をお持ちです。そのため、永代供養に申し込む際には、寺院はもちろん霊園であっても、どの宗派に沿った永代供養が行われるのか確認が必要です。

永代供養を執り行う寺院の宗教条件は、おもに以下の4つに大別されます。いずれの条件も、過去の宗旨・宗派は不問です。一般の墓地と比較して、条件はゆるやかな傾向にあります。

宗教は問わない。仏教以外の宗教でも可

永代供養本来の考え方に沿った、最もオープンな対応です。キリスト教やイスラム教など、仏教以外の宗教でもかまいません。もちろん無宗教の方でも申し込めます。

在来仏教なら、宗派は問わない

在来仏教であれば、受け入れるというスタンスです。キリスト教やイスラム教などを信仰されている方が申し込む際には改宗する必要がありますが、宗派はどこであってもかまいません。

寺院と同じ宗派のみ

寺院が所属する宗派の方のみ、申し込みが可能です。たとえば、天台宗の方が真言宗の寺院に永代供養を望む場合、改宗が必要になります。

受け入れ寺院の檀家のみ

寺院の檀家に限り、永代供養を申し込むことができます。

檀家とは、入壇料を納め特定の寺院に所属し、お布施などを通して寺院を支援する家庭のことです。檀信徒契約を結び檀家になることで、永代にわたる故人の供養とお墓の管理を寺院にお願いできます。

永代供養の宗派、法要と戒名について

永代供養の中でも宗教色が濃いといえる、法要と戒名について解説します。

永代供養の法要

たとえ宗教不問の永代供養であっても、納骨法要や年忌法要ではご住職に読経をお願いする必要があります。法要は、担当するご住職が所属する、それぞれの宗派の教えに沿って進められます。

永代供養と戒名

戒名とは、仏様の弟子になったことを意味する、死後に授けられる名前のことです。

戒名は本来、出家して仏門に入り、厳しい戒律を受け入れた弟子にしか認められない権利でした。しかし現代では、故人が清らかな気持ちで往生することを願い、宗派それぞれのやり方で戒名を授けます。

永代供養では、戒名は必ずしも必要ではありません。

ただし、永代供養であっても戒名を授けてもらうことは可能です。その際には、お布施を用意しご住職に相談しましょう。

宗派と無宗派の永代供養について

永代供養の選び方には、大きく分けて2つあります。それは、昔ながらの墓地にするか、自由度の高い永代供養墓地にするかという選択です。

ここからは、宗派と無宗派の永代供養について解説します。

従来型の墓地は宗教色が強くなりやすい

従来型の墓地は、寺院の敷地内にあることが多く、宗教色は強くなりがちです。

寺院によっては檀家になることを求められたり寺院が所属する宗派の信徒である必要があったり、他の宗教を信仰している方にとっては敷居が高いと感じられることでしょう。

しかし、価値観の変化や少子化に伴い永代供養墓の需要が高まっている現代においては、寺院の考え方も変わってきています。もしも気になる墓所を見つけた際には、寺院のご住職に相談してみることをおすすめします。

近年は無宗教型の永代供養墓地が増えている

近年増えている永代供養を専門とする墓地は、宗教・宗派を問わず申し込めるケースが多いのが特徴です。

名目上の運営者が寺院になっていることも多く、法要や供養などは寺院が担当しますが、宗旨替えを強要されることはありません。樹木葬や納骨堂は、このタイプが中心になっています。

宗教・宗派という垣根を取り払い、すべての希望者を平等に受け入れる無宗教型の永代供養墓地は、今後ますます注目されることでしょう。

宗派を問わないことが多い本山納骨

宗派を統べる本山への納骨は、改宗が必須条件と考える方も多いことと思われます。ところが、本山納骨では、宗派を問わず広く門戸を開けている寺院がほとんどです。

ここからは、各宗派の本山納骨についてご紹介します。

本山納骨とは

本山納骨とは、西日本を中心に、古くから行われている納骨方法です。

西日本には各宗派の本山寺院が多く、本山にご遺骨を納めたいと考える方も少なくありません。宗祖ゆかりの地に設けられた納骨堂や永代供養墓には、常の多くの方の参拝があります。

ご利用される方の地域は限られますが、信頼のおける納骨方法のひとつといえるでしょう。

本山納骨の特徴

本山納骨の一番の特徴は、宗派の本山で供養をしていただけるという安心感ではないでしょうか。また、供養の面だけでなく、寺院の今後の運営に対しても安定が望める場所である事は間違いありません。

さらに、申請者の意思を尊重するため、宗派を問わないだけでなく、戒名も不要とするケースがほとんどです。

加えて、本山納骨は寺院の社会救済機能のひとつと考えられているため、費用が抑えられています。宗派やご遺骨の分量によって異なりますが2~10万円を目安に、年間管理料や寄付などは不要です。

ただし、本山納骨は基本的に合祀型となるため、一度納骨するとご遺骨の返還はできなくなります。

各宗派の本山納骨一覧

各宗派の本山納骨について、ホームページなどで情報開示されている寺院のみ、一覧表にまとめましたのでご参照ください。

真言宗の本山、高野山の総本山金剛峯寺では永代供養は受付ておりませんが、山内には100ヶ所以上の寺院があり、永代供養の相談もできます。また、曹洞宗には大本山がふたつあり、神奈川県の曹洞宗大本山總持寺では分骨料5,000円のほかに、分骨用の施設に1年間安置するための費用5万円が必要です。

なお、浄土真宗には永代供養という考え方はありませんが、本山に後継者がいなくても納骨できるお墓が用意されているため、一覧に記入しております。

寺院名 所在地 費用 宗派不問 備考
真言宗総本山金剛峯寺 和歌山県 5万円 分骨のみ
天台宗総本山比叡山延暦寺 滋賀県 10万円~
浄土宗総本山知恩院 京都府 4万円
浄土真宗大谷派総本山大谷祖廟(東本願寺) 京都府 2万円~ × 大谷祖廟への納骨
浄土真宗本願寺派総本山大谷本廟(西本願寺) 京都府 3万円~(小型容器) 大谷本廟への納骨
小型容器より大きい場合は5万円~
日蓮宗総本山久遠寺 山梨県 5万円 × 基本は分骨
曹洞宗大本山永平寺 福井県 3万円~ 分骨のみ
曹洞宗大本山總持寺 神奈川県 5,000円+5万円 分骨のみ

実際に本山納骨をお考えの方は、それぞれの寺院に直接お問い合わせください。

まとめ

永代供養と宗教・宗派の関係性について、ご紹介してきました。

宗派を問わず受け入れてもらえるということを、選択肢が広がると考えられる方もいらっしゃることと思われます。しかし、宗派にこだわりがある方にとって宗派を問わないという考え方は、不安を感じてしまうのではないでしょうか。

永代供養であっても、宗派に対する考え方は、寺院・霊園によってさまざまです。どのような施設で、どのように供養されるのか、現地に赴き実際に確認し、じっくりと考慮することをおすすめします。

この記事が、心安らぐご供養方法選択の、一助となれたら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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