日蓮宗の永代供養とは?総本山身延山久遠寺での永代納骨についてもご紹介!
永代供養は基本的に宗教不問の埋葬方法として知られていますが、供養の仕方については宗教・宗派と無関係ではいられません。埋葬先が寺院であれば、寺院が所属する宗派に沿った供養が行われます。たとえ霊園や納骨堂であったとしても、供養を担当するのはいずれかの宗派に所属する寺院です。
もしも日蓮宗を信仰されている方であれば、日蓮宗の教えに従った供養を望まれるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、日蓮宗の永代供養について、以下の項目にわけて詳しく解説していきます。
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永代供養とは?
永代供養とは、寺院・霊園にご遺骨を納め、供養と管理を委託する埋葬方法です。ライフスタイルの変化から、代々続くお墓の継承が難しいとされる方が増え、永代供養が行える寺院・霊園は年々増加の傾向にあります。
永代供養にはさまざまな埋葬の方法があり、最初から骨壺から取り出し見知らぬ方たちと一緒に納められる合祀タイプや、一般のお墓と同じように墓石を設けその下に骨壺のまま納骨する個別墓タイプなどがあります。
注意点としては、永代と冠する供養方法ではありますが、永久に同じ形で供養してもらえる訳ではないという点です。
たとえ個別で納骨したとしても、年忌法要などを目途とした数十年単位の期間が設けられています。しかし、多くの場合は契約期間を過ぎたあと合祀タイプに移されるだけで、引き続き供養はしてもらえます。
そのため、お墓の継承問題でお悩みの方はもちろん、子供や孫にお墓のことで負担をかけたくないと考える方たちにとっても、安心できる供養方法のひとつといえるでしょう。
日蓮宗とは?
日蓮宗は、1253年(鎌倉時代)に日蓮聖人によって開かれた「何妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」を経典とする日本仏教の宗派のひとつです。
民衆を救済したいという志は浄土宗と同じですが、日蓮宗は現世でこそ救われなければならないという考え方です。そのため、浄土宗の亡くなった後に極楽浄土で仏様として生まれ変わるという考え方とは、全く違うものになります。
日蓮宗では「南無妙法蓮華経」という「お題目(だいもく)」を大事に唱えることで、現世での幸せを願い、最後には仏様になれますようにと拝みます。
「南無妙法蓮華経」の意味とは?
南無妙法蓮華経とは、「妙法蓮華経の教えに私は帰依します」という意味です。
別名、五字七字のお題目と称される南無妙法蓮華経の「南無」は、サンスクリット語で「私は帰依します」という意味を持ち、「妙法蓮華経」は「法華経のお教え」を意味しています。
「法華経」とは、聖徳太子の時代に日本に伝来した、誰もが平等に成仏できるという仏教思想が説かれた経典です。
来世よりも今の生き方を問う「法華経」には、今この時を精いっぱいに生きる知恵が記されています。また、すべての生きとし生けるものには仏の心があるとしているのも特徴です。
日蓮宗の葬儀の特徴
日蓮宗の葬儀では、お題目としている南無妙法蓮華経を、参列者全員で唱える場面があります。その際、「団扇太鼓(うちわだいこ)」や「妙鉢(みょうはち)」といった、鳴りものを打ち鳴らすのも特徴的です。
読経の際に鳴りものを用いる宗派はほかにもありますが、他の宗派よりも使用する鳴り物が多く、規模が大きな葬儀では雅楽も奏されます。これらの鳴り物は、故人を導くだけでなく、邪気や魔を祓う意味でも使用されます。
日蓮宗の永代供養とは?
日蓮宗の教えには他の宗派と異なる部分もありますが、永代供養については特別な違いはありません。唱えるお経に違いはあっても、故人の祥月命日やお盆・お彼岸の時期に供養を行う点も同じです。
そのため、日蓮宗を信仰されている方が永代供養を望む場合、檀家になっている寺院で供養してもらうのが理想といえます。永代供養という言葉を使用することにも問題はありませんので、菩提寺にも相談しやすいことと思われます。
日蓮宗総本山身延山久遠寺での永代納骨
山梨県身延町にある日蓮宗総本山身延山久遠寺は、日蓮聖人のご遺骨が納められている寺院で、日蓮聖人の魂が住むところという意味の「棲神の地」とも呼ばれています。
本山納骨には「分骨」と「全骨」の2通りがあり、分骨は手のひらに乗る程度とされ、お骨がない場合は故人の遺品やお位牌のみの供養も行っています。また、「分骨」「全骨」ともに、生前に納骨の予約をすること(逆修)も可能です。
分骨での納骨「2つの条件」とは?
分骨で納骨をするための条件は、下記2つになります。
- 日蓮宗の信徒であること
- 法号があること
「法号(ほうごう)」とは、他宗派でいう「戒名」にあたる、死後または生前にご住職に授けてもらうお名前です。
全骨での納骨「3つの条件」とは?
全骨で納骨をするための条件は、下記3つになります。
- 日蓮宗の信徒であること
- 菩提寺がないこと
- 菩提寺がある場合は、菩提寺から許可を得ていること
菩提寺の許可については、証明書が必要になります。また、全骨で納骨をする際には「埋葬許可証」や「親族の承諾」なども必要になるため、必ず事前に身延山久遠寺へ確認するようにしましょう。
日蓮宗総本山 身延山久遠寺
〒409-2593 山梨県南巨摩郡身延町身延3567tel.0556-62-1011(代)fax.0556-62-1094
窓口受付時間
4月~9月午前5時~午後5時/10月~3月午前5時30分~午後5時
納骨する際にかかる費用
分骨には、大きく分けて2つの方法があります。
ひとつは、身延山のお勤めに併せて法要を行い、合同の供養塔にご遺骨を埋葬する「普通納骨」です。
もうひとつは、ご遺骨を5~50年の間、身延山で用意する白木のお位牌と共にお寺で安置後、合同の供養塔に埋葬する方法になります。期間は5年・10年・20年・50年から選択でき、選択した年数を冠に「〇〇年納骨」とされています。
また「逆修」は、五十年納骨のみ受付可能です。それぞれの供養料は、下記をご参照ください。
種類 | 供養料 |
---|---|
普通納骨 | 5万円 |
五年納骨 | 10万円 |
十年納骨 | 20万円 |
二十年納骨 | 30万円 |
五十年納骨(逆修も可) | 50万円 |
全骨納骨は、「逆修」も含めて「五十年納骨」のみとなり、費用は一霊位につき200万円になります。
まとめ
日蓮宗の永代供養について、本山納骨を含めてご紹介してきました。
日蓮宗は、生きとし生けるものの生を慈しみ、現世での幸せを願い、最後は仏様になることを祈る宗派です。しかし、教えこそ他の宗派と異なる部分もありますが、永代供養においては供養方法以外に違いはないことをお分かりいただけたかと思われます。
永代供養は、日蓮宗の寺院でも行えます。ご家族に永代供養を理解してもらいたいという方は、菩提寺のご住職に相談されるのも良いかもしれません。
この記事が、ご家族の皆様が安心できるご供養方法選択の、一助となれたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。